- 来年、映画『えんとつ町のプペル』の続編が公開となります。 何年も前から、じっくりコトコト作り続けてきた作品です。 今日は、その作品に込めた想い(思い出)を、少しだけお話しさせてください。
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「信じて待つ」という挑戦
- 今から25年前、僕は相方の梶原君と「キングコング」というコンビで活動をスタートさせました。
幸運か不運か、僕たちは“スピード出世”という形で一気に注目を集めました。 周囲の人々は、僕らのことを羨ましがっていましたが、実力も、経験も、頼れる仲間もいないまま、名前だけが一人歩きしてしまっていた僕らは、行く先々で結果を残すことができず、じわじわと心をすり減らしていきました。
そんなある日、梶原君が突然、仕事に来なくなりました。 周囲は「寝坊かな?」とざわついていましたが、僕にはわかっていました。 彼が、もう仕事には来ないことを。 彼が、ずっと前から壊れていたことを。
収録が始まるのにトイレから出てこられなくなった彼の姿を、 まともに会話ができなくなっていく彼の姿を、 僕は何ヶ月も前から見ていました。
あの頃の僕は何もできず、ただ隣で立ち尽くしていたのです。
まもなく、所属事務所から「キングコング無期限活動休止」が発表されました。 8〜9本あったレギュラー番組は一気に終了しました。
当時、僕は梶原君のことを恨みました。
「せっかく掴んだチャンスやのに、何してくれとんねん」と。
活動休止が発表された後、僕は外に出ることができずにいました。 仕事が無いからといってアルバイトを始めてしまえば、週刊誌が面白おかしく書き立てるからです。 暗くて重たい部屋に籠り、自分が出ているはずのテレビ番組を、ただぼんやりと眺めているだけでした。
淀川の河川敷まで足を運び、「なんで、こんなことになったんやろう…」と溜息をこぼしながら、少年野球の練習試合を丸一日眺めていた日もありました。
梶原君がいなくなってから1ヶ月ほど経った頃、所属事務所から「梶原が戻ってくる気配がないので、西野一人で活動を再開してみてはどうや?」と提案されました。
だけど、僕はそこで立ち止まりました。
もし僕が一人で活動を再開して、 もし万が一うまくいってしまったら、 そして、その姿を梶原君が見てしまったら…… もう彼が戻ってこられる場所が、どこにも無くなってしまうんじゃないかと思ったのです。
僕は、事務所に「一人では活動しません」と返事をしました。
それは、“待つ”という選択でした。
それは、これまでの人生で経験したことのない大きな挑戦でした。
相手を信じて、信じ抜き、ただじっと待つ。 この行為が、こんなにも勇気のいることだと、僕はそのとき初めて知ったのです。
きっと、世の中のお父さんやお母さんも、この挑戦をされているのだと思います。 子どもの行動に口(=正解)を挟みたくなる気持ちをグッとこらえながら、 子どもが自分の足で立ち上がるまで、ただ信じて、見守り続ける。
「信じて、待つ」―― それは、とても静かで、とても強く、そしてとても大きな挑戦です。 -
挑戦者の物語
- 『えんとつ町のプペル』は、挑戦者の物語です。 声を上げるたびに笑われ、挑戦するたびに叩かれてきた、僕自身の物語であり、 今まさに挑戦しているすべての人への応援歌です。
今回の続編も、挑戦者への応援歌です。
大切な人を信じて、待ち続けている人に。 大切な人が帰ってこられる場所を、守り続けている人に。 そんな人たちに、そっと寄り添えるような映画を届けたいと思っています。
一人でも多くの方に、この作品が届きますように。
どうか、皆さまのお力をお貸しください。
西野亮廣(キングコング) -
講演会について
- ・終演後、ロビーにて西野が「映画前売りチケット」を手売りさせていただけますと幸いです。
・会場のキャパシティー(座席数)は500席以下でお願いします。
・西野とスタッフ一名分の交通費(当日、東京に戻ることができない地方の場合は宿泊費)は別途で御用意ください。
・講演会開催時期: 2025年(金土日祝を除く。)
・交流会(飲み会)開催権ではありません。
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