- いつもお世話になっております。キングコング西野亮廣です。
今日は、世界展開を見越して鋭意制作中のコマ撮り短編映画『ボトルジョージ』にお力添えいただきたくお願いに上がりました。
悪戯にお時間を頂戴するのもアレなので、さっそく「プロジェクトの立ち上げの経緯」と「現在地」を、ご説明させていただきます。 -
- ※トンコハウスの稲田雅徳氏のアート
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堤大介監督との出会いは、2019年5月。
トンコハウス映画祭の壇上での出会いだったのですが、お互いのモノ作りに対する想いや問題意識を交換しているうちにすっかり意気投合。そこから日をあらためて、酒場に流れ、そこでもまた話が盛り上がって…最後には「いつか、何か一緒にやれたらいいですねー」みたいな話になったんです。
「いつか、何か一緒にやれたらいいですね」は社交辞令であることが多いのですが、この時ばかりはそうじゃなくて…次に堤さんと呑みに行った時(2019年の秋頃)には、「一緒に絵本を作りましょう」という具体的な話になり、「ストーリーのプロット(原案)を書いてきますね」という約束をして別れました。
「堤さんと作るのなら、どんなストーリーがいいかなぁ」と考えて、お互いの人生が重なっている部分を探して、最初に書いたのは「セカンドチャレンジ」の物語でした。 -
- ※トンコハウス(当時)の長砂ヒロ氏のアート
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運に見放され自暴自棄になり、毎夜お酒を呑み、ついにお酒に呑まれ、気がつきゃ酒瓶の中に入っちゃって、外に出られなくなった「ジョージ」という男の物語です。
『ボトルジョージ』というタイトルは、この時には決まっていました。
2020年の春頃の話です。
この時、堤さんはトンコハウスの新作『ONI ~ 神々山のおなり』の制作の真っ只中で、僕は僕で『映画 えんとつ町のプペル』の制作が佳境に入っていて、くわえて、新型コロナウイルスでお互いの制作現場は大混乱。
『ボトルジョージ』という小さな企画が流れてしまうには十分すぎる理由がありました。
それでも諦めきれない僕たちは、どうにかこうにか時間を見つけ、小さなロウソクの火が消えないように議論を繰り返していました。
そんなある日。
堤さんの方から「今からメチャクチャ難しいことを言うので、話半分で聞いていただきたいのですが…『ボトルジョージ』をコマ撮りアニメーションで作りません?」と提案されたんです。
さすがに社会の酸いも甘いも知っている年齢です。
学生の時のような無鉄砲さは持ち合わせていなくて、どうしてもコストのことを考えてしまいます。
『ボトルジョージ』は、いわゆる「商業作品」ではありません。
しかも、『コマ撮りアニメーション』の短編ときたもんだ。
僕は「メチャクチャ面白いけど、クリエイティブから予算の回収から何から何まで、メチャクチャ難しいだろうな」という感想を持ちました。
それと同時に、そんなバカげた挑戦をする人(褒め言葉です!)が世の中にいないコトも分かっていて…堤さんが言った「コマ撮りアニメーション」という言葉がずっと頭の中にこびりついていました。 -
- ※トンコハウスの橋爪陽平氏のアート
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それからも堤さんが書いてくださった脚本をベースに「世界観」や「作品メッセー
ジ」を詰めていき、その間も、堤さんだけではなく、アニー賞を取るなど世界で評価されるトンコハウスのアーティストの皆さんがあげてくださる「キャラクター」や「背景」から宝物のようなアイデアをたくさんいただいて…そうこうしているうちに「これ、コマ撮りアニメーションでやるしかないじゃんっ!」という雰囲気になり、日本を代表するコマ撮りアニメーションスタジオドワーフの松本紀子さんに泣きついたのが……二年ぐらい前。
僕らが持ち合わせていたのは『ボトルジョージ』という「タイトル」と「ストーリー」と「キャラクターのビジュアル」と「夢」と「ガッツ」ぐらい。
当時の松本さんからすると、「いや、もっと、まとめてきてよ」という気持ちがあったかもしれません (笑)。
あいかわらず『ボトルジョージ』のクリエイティブは、なかなか前には進まなかったのですが、その間も、トンコハウスのアーティストの皆さんがあげてきてくださる「キャラクター」や「背景」が本当に可愛くて、愛おしくて。
いつのまにか瓶の中にいた「ジョージという男」は「毛虫のジョージ」になっていて、だけど、その「毛虫のジョージ」が抱き締めたくなるぐらい魅力的で。 -
- ※原型師のきゃっしー(舘岡孝)の粘土原型
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キャラクターに引っ張られる形で脚本もドンドン変わっていき、気がつけば、『ボトルジョージ』は「依存症という病から抜け出せない男」と、「その男を待つ家族」の物語になっていました。
『ボトルジョージ』に関わっているスタッフ全員が作品を愛していて、この難易度が高すぎるチャレンジを面白がっていて、「たしかなものを作っている」という自信を持ち合わせていて…気がついたら、2019年から呪いのようにまとわりついていた「この企画、流れちゃうかも」という気配は消えていて、「絶対に作り上げて、絶対に届ける」という覚悟に変わっていました。
スタッフの皆様の仕事のクオリティーのイチイチがその空気感に持っていってくれました。 -
- ※堤監督とテレビ電話でやりとりするスタッフの皆さん
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そして、2023年の夏の終わり。
ついにドワーフさんのスタジオで『ボトルジョージ』のテスト撮影が始まりまして…紙ペラ一枚に書いたあの物語が、かれこれ3年近く(何度も消えそうになりながら)ウネウネしていたあの物語が、ついに動いたんです。
「酒瓶が倒れて、そこからお酒が溢れて、酒瓶の中にいた「毛虫のジョージ」がビックリする」…という僅か10秒程度のテスト映像だったんですけども、皆でその映像を見た瞬間に、拍手が起こって、「動いたー!」という叫び声が上がりました。
この「動いた!」という叫びは、「毛虫のジョージが動いた」のもありますが、「ずっと前に進まなかったチャレンジが、ついに音をたてて動いた!」という意味でもあって、堤さんも僕も「やばーい!」という感じで完全にギャルと化していました(笑)。
『ボトルジョージ』のチャレンジは、まだまだ始まったばかり。
クリエイティブ面は勿論のこと、「予算を集める」「届ける」というプロデュース面でも、ここからは、これまで以上に難しいことだらけです。
だけど、こんなチャレンジをするチームは、世界のどこを探しても、なかなか見当たりません。
僕ら自身、どこに着地するかまだまだ見えていません。
それは、チャレンジを続けるには十分すぎる理由で、皆様とは、『ボトルジョージ』が産声をあげたこの瞬間から時間を共にしたいです。
チーム一丸となって、世界中がビックリする作品を作ります。
ご支援、宜しくお願いいたします。
西野亮廣(キングコング) -
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